(ここを出て行くんだよ アテカ)
ほんの少しの笑みを滲ませて、か細い声で祖母は言った。
(あたしが神に召されたらね。必ず村を出るんだよ)
どうして?
そんなことはできない。
あたしはここに残ります。
おばあさまとずっと一緒にいるわ。
だから 死なないで
(聞き分けのない子だねえ
そうだ
タールへおいき
国一番の都さ
ああ 懐かしいねえ)
独りにしないで
おばあさま
(おやまあ あきれたね まだ泣いているのかい?)
お願い・・・
(泣き虫のお前のために 最後にひとつ呪いをしてあげよう
悲しい夢を見ても すぐに忘れられるように)
おばあさま・・・
(そして幸せな・・・魔女におなり・・・アテカ)